偕和會のシンボルマーク

偕和會のシンボルマーク
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偕和會にはシンボルマークがあります。それは、正三角形と逆三角形を重ねて、その周囲を円で囲んだ形です。このような形になったのは、それなりの意味があります。堀田和成先生によるなら、全生物の魂の数とその意識レベルを図にすると、それは正三角形になります。その正三角形は、上中下と3つに分けられて、一番上が精神界、真ん中が相対界、そして一番下が欲界と呼ばれます。正三角形という形から分かるように、意識が上にいくほど、そこに属する魂の数は少なくなります。つまり道徳的に優れた魂の数は少なくなり、反対に、意識が下にいくほど、その数は多くなる、つまり道徳レベルの劣った魂の数は多くなります。それを図にすると正三角形になるわけです。それぞれの界の特徴を簡単に言うと、精神界の人は自分よりも他人を先にして、精神的なことに関心を持ち、善に生きたいという思いを持っています。そしてその数は1000人に1人いるかいないかと言うほど少ないです。相対界の人は物質の影響を受けて、相対的な考えに支配され、自己中心になりがちです。欲界に属する人は、無気力、愚鈍、怠惰、無知に支配されて、中には犯罪に走る人もいます。この世の多くの人は相対界に属しており、なかでも中段から下がほとんどです。

ここで面白いことは、動物の意識レベルを調べると、相対界中段から欲界に属しています。バクテリアや地中の虫などは欲界の最低レベルです。地獄の一歩手前、もしくは地獄と言ってもいいでしょう。また犬は人間社会に溶け込み、ペットとして可愛がられますが、動物の中ではその犬が最高位にあり、その意識レベルは相対界の中段となります。そうすると、この世の多くの人が相対界の中段以下ですので、人によっては飼い主よりも犬の方が精神的に優れていることになります。ここで問題となるのは、もし人間が相対界の中段以下で死ぬと、今度生まれてくる時は動物の可能性があることです。これは恐ろしいことです。気を付けないと、牛に生まれ変わって、ステーキとして食べられるかもしれません。

人間は努力することで意識を上げられますが、精神界の中段まで来ると、壁に突き当たります。それゆえここは一種の関門となっており、そこを超える人は非常に少なくなります。ここまでの界に属する人は、頻繁にこの世に生まれてきて、泣いたり笑ったりを繰り返します。けれどもこの中段を超えると、輪廻のサイクルは緩慢となります。そしてこの中段から上の世界が、天国と呼ばれる場所で、そこからさらに向上することにより、精神界の上段に入って、ついには正三角形の頂点に達すると、この場所は兜率天と呼ばれて、そこに属する魂は、逆三角形の世界から降りてきた如来や菩薩の説法を聞くことができます。さらにここを超え、逆三角形の世界に入ると、ここはいわゆる、輪廻を解脱した魂の住む世界で、ブラフマンの世界とも呼ばれており、キリスト教では神の国ともいわれます。逆三角形として末広がりとなっているのは、上に行けば行くほど無限の広がりを持つからです。菩薩はここに属しており、如来はその最上部におられます。ここに住む魂は、迷える人々を導く役割を持ち、この世に生まれる時には何らかの役割をもって生まれてきます。のちに堀田先生がバガヴァット・ギーターを知られた時、そこでは人間の魂を、サットヴァ、ラジャス、タマスの3種に分けており、それぞれが、自身の説く、精神界、相対界、欲界に相当することを知られて、非常に驚かれたそうです。

バガヴァット・ギーターを知られてから、先生が再度この図を見られた時、このマークは3重のブラフマンを現していると気づかれました。上記で説明したように、正三角形はいまだ迷える魂が属する世界、逆三角形は悟った魂の属する世界、さらにそれらを囲む円は宇宙全体を表しています。そしてこの3つはすべてブラフマンに属しており、それゆえこのマークはブラフマンそのものを現していると言えます。3重のブラフマンとは、神々、人間、宇宙を意味しています。そして正三角形と逆三角形が交差するということは、神々と人間は相互に交流して、徐々に向上していきますが、それらの活動はすべて神の範疇であるということです。このことについてバガヴァット・ギーターでは「神々を喜ばすことによって、汝らも神々から養われる。互いに養いつつ汝らは、最高の幸福を得るであろう」(3‐11)と書かれます。これは壮大な主のリーラ(遊戯)と言えるでしょう。

またヨガの教えでは、人間の脊髄に沿って7つのチャクラがあり、このうち下から4番目のチャクラ(アナーハタ・チャクラ)は心臓のあたりに位置しますが、そこを表すシンボルは、この偕和會のシンボルマークと同じです。ヨガではこれは心臓を表しますが、ここに人間の魂が宿っていて、そこから向上することで、人間の魂は上にのぼっていき、最高天である頭頂部に至った時に解脱となります。そしてこの4番目のチャクラは、人間にエネルギーを供給する中心となっています。先生がこのマークを描かれたのは、このようなことを知られるずっと以前ですので、このように多くのことが一致していくというのは、非常に興味深く思われます。