星と湖と

悲しみは湖のようだ

 (静かな水の音)

喜びは星のようだ

 (目にしみる美しさ)

星の光る湖水の底には

奪われることを待つ宝石が眠りつづける

波が静まり

水が澄みきったとき

深さを忘れたように宝石は

我らの目の前に浮かびあがる

手を伸ばし触れようとすれば

また 水は波立ち

星影は揺れ

悲しみは湖のようだ

 (揺れては静まり 静まりては揺れ)

喜びは星のようだ

 (瞬きながらも輝きつづけ)

星の光る湖水の底には

奪われることを待つ宝石が眠りつづける