廃都 2021.09.26 2021.07.27 死者の上に墓が築かれ いつしか雨風が うち崩れた石組みだけを残す 人はもはやそこに死者の眠ることを知らない 民族が死に絶えれど 廃都は残り その上を 塵灰がおおい 土砂がかぶさり 死に絶えた文明の上に なにひとつ知らぬ民族が またアスファルトをしいていく 我らの足もとから 滅びた文明の香気が漂ってくる そのなかで 街ゆく人々は 陽炎のように揺らいでいるではないか そして僕は見る 揺らぐ香気のなかで 死に絶えたはずの廃都が 蜃気楼のように浮かび上がり 呪いのように 摩天楼のうえに重なるのを